7時に起きる

もう二度寝はしない

退職を決めてから見た邦画【万引家族、葛城事件、クリーピー】

仕事で鬱々としていた時は、頭に趣味や娯楽が入る余地がなく、大好きな映画もすっかり見なくなっていました。

で、退職を決めてからは心がスーッと軽くなり、無性に映画を観たくなって、有休も使っているので時間もある、ということで。どんどん映画を観る生活をしています。これからもドンドン見ちゃおうと思ってます。

 

最近見たなかの邦画をまとめて記事にしまーす。あと基本的にネタバレを気にせず書くのでお気をつけください。

 

 

 


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【万引家族】

見終わったあとの感想は「安藤サクラに監督が惚れたんだろーな」と思うくらい、安藤サクラがどんどん綺麗に綺麗に、最後は聖女のように美しく見えた。

追加の考察が欲しくて、宇多丸さんのムービーウォッチメンと、是枝監督がゲストの回を聞いてみましたが、特に是枝監督の話はすごく興味深い。

子供の歯が抜けたシーンと、おばあちゃんの入れ歯のシーン。ひとつの家族の中でエピソードが折り畳めるように対になっている、とのこと。リリー・フランキーが骨折した話と、少年の骨折とかもそうかもしれない。

そう考えると、はじまりとおわり、生と死、衰退と誕生、みたいに全てがふたつ用意されている。

一回見ただけじゃ分からなかったけど、また見るともっと発見がありそう。

あとリリー・フランキーと少年が夜、じゃれあって遊ぶシーンはすごく幻想的で、印象深かったけれど、そのショットも撮影監督さんのアイデアで「深海や、スイミーを連想させる箱庭のようなショット」にしたんだそうな。

映画ってほんと、とことん考えて作られてる。なんだか贅沢な映画体験をさせてもらったような、良い映画でした。

監督の書いた原作も読もうと思ってまーす。

 

 
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 【葛城事件】

赤堀監督の前作「その夜の侍」も面白く見て、今回も気になってたので、やーっと観賞。

三浦友和の存在で映画そのものが、ズドンと重みを増している気がするんだけど、不思議と軽みもあって、ところどころ笑っちゃう。

ラストの「俺も三人殺したら、あんた結婚してくれんのか」には「おいおい😂😂😂」と思わず笑ったけど、田中麗奈のしていたことを思うと、その言い分全然間違ってねーよな、と。むしろ田中麗奈が終始めちゃくちゃなので、すごく真っ当な意見にさえ感じてしまう不思議。

田中麗奈は見た目が神経質そうで、この役には凄く合ってたし、多分映画のなかで一番まともじゃない人。変な女や不安定な女の役に最適な、良い役者だなぁとしみじみ思いました。

恐らく意識的に、画面の中に「枠(わく)」が登場するのも印象的。

家の中の部屋と部屋のつなぎの枠、長男が時間を潰す公園の入口の枠、面会室での枠。

登場人物が額におさめられたかのような、そのフレームが「家族」を意味してるのかな、と深読みしたり。

また、次男が殺人を起こす場所の行き詰まり感というか、行き止まりの場所へ入っていくような、かんじ。

(でも殺人シーンは見るのが辛すぎて、すいません、早送りしました)

とにかくすべての場所がちゃんと意味をもってフィルムにおさめられてる感じが見ていて気持ち良い。

ロケハンした人達のセンスと目が抜群すぎて、すげーなーとアホの感想です。

ちなみに赤堀監督の劇団シャンプーハット

わたし、高校生くらいにNHKで演劇を放送する番組があって、「蝿男」を見ることができたんですよ。それも面白くて何度も繰り返し見て。(確か主人公の実家に友達や先輩が入り浸っている日常を描く芝居で、主人公が妹を千円で売春させ、最終的にその先輩友達もろとも自宅で皆殺しにする、みたいな話だった気がします)

いま、日本の映画監督の中で確実にキャリア積んでるのが密かに嬉しいし、これからも応援します。

 


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 【クリーピー

「あの人お父さんじゃありません、全然知らない人です」

というパワーワード

この台詞ひとつでもう勝ってるのに、なんと香川照之スーパー無敵モード全開ときたら、それだけで大勝利。面白く堪能しました。

ミステリーだし、怖い映画なのに、香川照之が全部もっていくし、香川照之がそこにいればもう面白い。お笑いとして面白い、声をだして笑える。

それに香川照之が住んでる家、めちゃくちゃ気持ち悪い。

東出君が初めて訪れて入っていくシーンは、異世界に落ちていくみたいで、「ここどこやねん」と思わず冷静ツッコミしてしまいました。普通の家の玄関からの落差よ……😂

 黒沢清監督の映画はホラー的に怖いイメージがあって見てこなかったんだけど、ホラーではない「アカルイミライ」とかは結構大好きな映画だったし、改めて今回、黒沢清の作家性を映像の節々から感じることができた。

フワァとなびくカーテンとか、ビニールっぽい仕切りとか、あらゆる小道具が不気味でそういうところも怖いんだけど映画的快感がある。

黒沢清の映画、もっと見てみたいな、と感じさせてくれました。

なんかほんと何処にでもある日本の風景に、物凄い閉塞感があるし、大学のシーンとか、ラストのとんとん拍子の香川照之オンザショーには応援上映したくなるような(いま公開してたらマジで応援上映やってましたよね、これ)、良いところが詰まった一作。

多分、事件そのものの気持ち悪さ、非道さ、極悪度合いは小説の方でじっくり感じれると思いますが、とにかく香川照之

逆に香川照之好きじゃない人にはかなりの胸糞映画だと思います。笑

 

 

 

不思議と全て「家族」の映画になりましたね。

全部当たりの邦画でしたので、オススメでございます。

以上でーす。